ghostpiaシーズンワンをクリアしたので、ネタバレありのレビューを書きます。
本当は冬にプレイするのがオススメだと言われていたのですが、来月のヨカゼ展に間に合わるべきかなと思い…真夏の今、プレイしました。

プレイ時間
・1話読了後:74分
・2話読了後:2.7時間
・3話読了後:4.3時間
・4話読了後:5.7時間
・5話読了後:7.6時間
プレイ時間は7~10時間のようです。1話あたり1~1.5時間くらいで読めました。
急いでプレイするつもりは全くなかったのですが、気がついたらEDになっていました。
全体的に
寒くて暗い町でのあったかい物語。
魅力的なキャラクターたち、深くまで伝わる心理描写、映像を観ているかのような作画、心を動かされるbgm……これらが相まって、本当に良いゲーム体験ができました。
コミカルな部分とシリアスな部分のバランスがすごく良かった。少しでもそのバランスが崩れるとプレイヤーが振り回されてしまってもおかしくないのに、それがこの作品の雰囲気をつくっているんだなと実感します。
ただゲームをクリアしただけとは思えない。7時間半でクリアしましたが、それ以上の長い時間を彼女たちと過ごしていたような、時間に厚みがあるように感じます。
キャラクター
ほんっっっっっとに、どのキャラクターも大好きです。とにかく愛おしい。
みんな何かを抱えていて、それぞれの正義があって…。そう思えてしまうから、憎めないんです。
メインキャラクター以外もいいですよね。個性が強くて。
クラーラ…どうにか最後は小夜子と仲良くなってほしいです(;;) でも小夜子の気持ちも分かるので…。アレクセイもめちゃくちゃいいキャラしてたと思います(笑)私は結構好きです。
グラフィック・bgm
映像を観ているかのような作画。凄かったです。
小夜子の心情を表すようなbgmも、この作品には欠かせないものですね。作中の雰囲気を一瞬で変えるのにも、bgmの力がすごく大きかったように感じます。OSTも聴いてます!
心理描写
特に印象に残っているのはキャラクターの心理描写でした。
作画やストーリーに焦点を当てるプレイヤーさんが特に多いと思いと思いますが、私はその中でも心理描写に深く魅了されました。
一人称は小夜子なので、彼女の気持ちを表現することが当然多くなるわけですが、ただそのまま書くだけでなく比喩や、ちょっと回り道して表現することが多くて。
ああ、痛い。心臓かな。心臓に痛覚はないはずだ、と誰かが言っていたけれど、そんなのはウソだと思った。
時間の流れは温度みたいなものだ。滞ることは冷たくなると同じで。だからこの慌ただしさは、なんだか、あたたかい。
フロントガラス越しに運転手の姿をみとめた瞬間の歓喜を説明することばを、わたしは持っていない。
例えばこんな感じ。
苦しい、嬉しい、って、そのまま表現するだけじゃなく、少し回り道して表現する。そんな心理描写が心に刺さって、小夜子の気持ちを深く感じました。
個人的な感想
私は小夜子と同じような気持ちを感じたことがあります。何度も。
周りと自分を無意識で比べて、小さいことで落ち込んで、でもその落ち込んでいる自分を認めるのも嫌で…。なのに周りの人は優しくしてくれる。自分は何も与えられていないのに。
ヨルとかクラーラって愛想が良くて素直で、世渡り上手。反対に、小夜子は不器用で2人みたいな愛想はない。周りの人の接し方も自分とは違うし、愛想が良いから得することもいっぱいあるわけで…。
小さい棘がいくつも刺さってそれが抜けないような苦しさ。
自分だけが馴染めなくて、周りに置いていかれるような孤独感を感じました。
でも孤独感って誰もが感じているものなんだっていうのが読み進めるにつれて分かりました。特にアーニャとの会話で。

この二人の関係ってすごく良いですよね。不器用なところも似ている気がします。
言葉数は少なくても、お互いのことをよく理解しているんだとうなと。
3話あたりでは、小夜子と周りの人の間の溝がどんどん深くなっていくような感じがしてすごく苦しかったですが、5話を読み終わる頃には全くそんなことなかったです。

シーズンツー
めちゃくちゃ楽しみにしてます。心の底から期待できると思います。
シーズンワンでは世界観や設定に対する謎が提示されていたので、その回収があることで物語が大きく変わっていくと思いますし、その中で新しい登場人物との出会いや、関係性の変化も沢山あると思います。
小夜子は変わろうとするのか、自身を受け入れるのか、とても気になります。
きっとまた苦しんでしまうことはあると思いますけど、あれだけ最高な仲間がいたらきっと大丈夫ですよね。
プレイヤーの心に刺さる心理描写と、気持ちの汚さも真っ直ぐに伝わる綺麗な文章・言い回しにとても魅了されました。ここまでghostpiaの虜になるとは思っていませんでした。
この作品に出会えて良かったです。
シーズンツーを心の底から楽しみにしています。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。